拠点コンセプト「Growth Engine」を掲げて名古屋で業容拡大。 IT業界をリードしていく若き拠点長の挑戦。

株式会社マネーフォワード 名古屋開発拠点長
長島 圭祐氏

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福岡から「モノづくりの街」名古屋へ。

2022年3月、新たなソフトウェア開発拠点の稼働を名古屋で始めた(株)マネーフォワード。東京以外で国内4つ目となる拠点を牽引するのは、入社3年目の長島さん。彼の挑戦に迫ります。

Q.御社の事業内容についてお聞かせください。

私たち(株)マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、個人・法人・金融機関向けに Fintech サービスやバックオフィス SaaS 事業を展開しています。名古屋開発拠点では、法人向けバックオフィス SaaS領域の新サービス開発に取り組んでいます。私は名古屋の開発拠点長という役割ではありますが、いちエンジニアとしてコードも書きますし、開発チームのマネージャーとしてプロジェクトの進捗確認やマネジメント、人員計画・採用活動など、さまざまな業務に関わっています。

Q.オフィスの内装がとてもオシャレですね!

「モノづくりの街名古屋」をイメージして”Culture Factory”をテーマに内装をデザインしました。床や壁には歯車仕掛けのイラスト、ガラスの壁にはスマホを手に持つ東海出身の戦国武将のイラストや街の風景を配しています。ミーティングルームの名称は「Coupe」(2名用の小会議室)や「Sedan」(4人用)、「Wagon」(6〜8名用)など車に関連した言葉にしました。私は石川県出身で大学から社会人2年目までの10年弱は九州で過ごし、名古屋に住むのは今回が初めて。来る前に抱いていた名古屋のイメージは、「車やモノづくりの街」でした。開発拠点として稼働していくからには、「モノづくり」の色を出したくて、そこはこだわりました。

開発組織拡大のため、戦略的に名古屋へ。

Q.名古屋拠点立ち上げの経緯は?

もともと名古屋には営業拠点としての「東海・北陸支社」があり、主に東海・北陸地方の士業事務所様向けにバックオフィスSaaSサービスを提供したり、導入支援を行っていました。一方で、マネーフォワード全体としてユーザーの皆様からの期待に応えていくためにも開発組織拡大のチャンスは常に窺っており、福岡・京都・大阪と順調に国内の開発拠点が立ち上がる中で、次なる開設先のひとつとして名古屋が筆頭に挙がっていました。私自身、新卒で入社してから沢山の得難い経験もしていましたが、1年経ったころからなにか新しいことにチャレンジしたいと思っていた矢先に VPoE(技術部門長)から「開発組織の立ち上げに挑戦しないか」という打診をもらいました。少し驚きましたが、開発だけでなく、個人的にもエンジニア採用への貢献は取り組みたいテーマでもあったので、CTO(最高技術責任者)の後押しも受けて拠点長への挑戦と名古屋への開発拠点進出を決めました。

名古屋を選んだ理由は、愛知県は国内GDP2位で国内有数の大学がある魅力的な地域だからです。

さらに東京・大阪からのアクセスも良く、人材採用の面や他企業とのコラボレーションの可能性の面でも有効だと考えました。

Q.入社3年目で抜擢された長島さんに求められている役割について、どうお考えですか?

マネーフォワードは、「ユーザーを見つめて課題を理解し、ユーザーの想像を超えたソリューションを提供する」という「User Focus」を大切にしている会社です。そのため「拠点長だから採用や広報活動などの拠点長らしい業務に注力する、という考え方ではなく、あくまでいま作っているプロダクトを最高のものにするために必要なことに注力してほしい」と上長から言われました。私もそこは履き違えずに、拠点長業務を担当しつつ、あくまで「ユーザーにとっていいものを作る」ことに集中するよう意識しています。

Q.拠点コンセプト「Growth Engine」にかける想いや名古屋での目標についてお聞かせください。

拠点コンセプト「Growth Engine」は色々な想いが詰まった言葉ですが、端的に言えば東海支社の立ち上げメンバーがこれまで営業活動を行う上で大切にしてきた「地域との繋がりを大切にし、お客様と共に自分達も成長する」という想いと、私自身がこれから開発組織を作っていく上で大切にしたいと思っている「メンバー全員が常に成長し、自分達が育てたサービスによってマネーフォワードや日本社会全体の成長を加速させたい」という想いが合体して生まれた言葉です。

人との出会いで、縁がつながっていく。

Q.エンジニアは、このエリアで新規採用されたのでしょうか。

はい。立ち上げ時は東海支社のメンバー以外の開発チームは私ひとりでの始動でした。そのため、まずはこのエリアでの「人の採用」が最優先事項。開発チームに必要な人材といってもプロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナーとそれぞれ求められるスキルセットが違うので、複数の採用媒体すべてに目を通したり、各領域のエキスパートに相談して情報を集めていきました。「オフィスも未定、開発するプロダクトも未定、僕しかいない」。そんな状況でどうやって私を信じて仲間になってもらうか、と若干不安な滑り出しでしたが、直後に愛知出身で「東海エリアをITで盛り上げたい!」と熱い想いを持つ採用担当者と出会えたのが私にとっての幸運でした。ここからエンジニア採用にも弾みがつきました。

Q.ご自身がエンジニアである長島さん、採用時に注目した点はどんなことでしたか?

私自身、ゼロから立ち上げたプロジェクトを進行中ということもあり、その開発に必要な人材、という視点で採用活動を行ったので、かなり解像度高く見えるものがあったと思います。おかげさまで、エンジニアをはじめ名古屋開発拠点のメンバーは精鋭揃いです。名古屋市内在住の方もいれば、近隣の市から通勤している方もいます。プロダクトマネージャーは大阪から来てもらいました。大阪の開発拠点で採用が進んでいた方なんですが、私たちが開発しているプロダクトの領域に詳しい人だったので、ダメもとで会って話してみたら意気投合して。マネーフォワードはハイブリッドワークという形で、リモートで働きながら週に1回は出社という形にしていますので、週に1度、オフィスで顔を合わせています。

Q.名古屋の人材の特徴として感じることはありますか。

IT エンジニアに関しては、中途人材の母数自体は多くないものの、スキルは関東や関西のエンジニアにひけをとらないと感じています。ただし名古屋ではマネーフォワードのように自社開発のITサービスを展開している企業は首都圏に比べると少なく、逆に製造業で発展してきた土地柄もあって自動車系メーカーのシステム開発系のグループ会社や、製造業界向けに SI 事業を展開している企業で業務システムの開発経験を積んだエンジニアの比率が高い印象を受けています。

新卒人材は未開拓ですが、少なくともこれまで会ってきた学生さんは成長意欲が非常に高く、学生のうちから長期インターンなどで積極的に開発経験を積みたいと考えている方が多いと感じます。また実際に話した学生さんのほとんどが本当は地元の名古屋で働くことを望んでいるものの、このエリアでITエンジニアとしてキャリアを歩んでいく先があまりなく、首都圏の企業を中心に就活しているという事情を聞いています。このエリアは優秀な学生が集まっていますし、いずれはインターンという形で受け入れられるような場も作りたいですし、トップカンファレンスに論文を通すような素晴らしい研究成果を出す方もいらっしゃるので、ご縁をつくって大学の研究室にも、これからぜひ足を運びたいと思っています。

新しい視点で名古屋を発掘、長島さんから見た風景とは。

Q.名古屋の魅力はどんなところだと感じますか。

名古屋はワークライフバランスの取れた、非常に働きやすい都市だと思います。私自身はこれまで10年弱福岡に住んできて、街の中心部から郊外へのアクセスの良さ、住環境のコスパの良さ、食べ物の美味しさなど長く住むには適した街だと感じていましたが、その辺りは名古屋にも近いものを感じています。プライベートを充実させたい方にもオススメです。

名古屋へ進出する際に個人的に‘意外’だったのは、歴史のあるITコミュニティや、オフィス近辺の企業の皆様も私たちの名古屋進出を温かく受け入れ、積極的にコラボレーションのお誘いをいただけたことです。私は「次の世代を育てることでIT人材の母数を増やしていきたい」という想いでこの開発拠点を立ち上げたのですが、名古屋で中途人材の採用募集をしていると共感してもらえることが多く、コラボレーションできる部分があると思っています。

工学系人材のポテンシャル、暮らす街としての魅力、名古屋の底力が全国的にはまだまだ気づかれてない、と感じます。関東や関西からの来訪者を名古屋で案内すると、皆さん口を揃えて「名古屋に住むのありだね!」と言ってくれますので、これからもっともっと名古屋の魅力を全国に伝えていきたいと思います。

Q.長島さんが名古屋を案内するとき、何を紹介されるのか気になります。

オフィスのある名古屋駅周辺や栄の街案内をすることもありますが、実は私が注目してるのはサウナです(笑)。若い人の間でサウナが流行っていますよね。私もサウナ好きで、名古屋に来て気づいたのが、いいサウナスポットがたくさんあること。仕事終わりにサクッと「こんないいサウナに行けるんだよ」って。名駅以外に、今池や栄にもお気に入りのサウナスポットがあり、私は週2くらいで通っています。疲れた脳や心身のリセットに最高です。

IT エンジニアは体が資本。知力も体力も要る仕事なので、「癒される空間があってごはんがおいしくて、さっと家に帰れる」というのは、大事な要素だと思っています。

Q.エンジニアの生活習慣からマインドまで知り尽くしている長島さんならではの配慮ですね。

そうそう、私はコーヒーを飲みながらコードを書くことが多いんですけど、名古屋はいい喫茶店がたくさんありますからね。‘モーニング’もありますし。住むにはそういう点も大事だったりします(笑)。

Q.名古屋拠点開設時に困ったことはありましたか?

オフィス選定については私自身が名古屋出身ではなく住んだこともなかったため、立地やビルの魅力など全く肌感覚がありませんでした。この点に関しては地元の方の意見が一番的を射ているだろうと思い、東海支社に勤務していたメンバーの知見を頼りに候補物件を選びました。候補に上がった物件はいずれも甲乙つけがたかったのですが、結局大事なのは働き手のモチベーションが高まることだと思い、メンバーが最も憧れを抱いていたミッドランドスクエアを選びました。ミッドランドスクエアもそうですが名古屋駅周辺エリアは交通アクセスも良く、採用面接時の魅力付けなどのためにも、名古屋進出をお考えの企業は選択肢として検討をおすすめします。

Q. 今後、名古屋から挑戦したいことは?

名古屋という懐深い土地柄だからこそ、私もすっと馴染むことができましたし、名古屋のポテンシャルをもっと全国に発信していきたいです。また開発拠点として進出している以上、大切なのはやはり「真に価値あるサービスを開発し続けること」。まずは現在開発中のサービスでしっかりとユーザーの皆様からの期待に応えること、そして長期的には「名古屋拠点でサービス開発に携わったメンバーは必ずマネーフォワードの成長を牽引する視座の高い優秀な人材に育つ」と言わしめるような圧倒的挑戦・成長環境を作っていきたいです。 「名古屋のIT業界をリードする存在になる」という気概をもち、挑戦を続けていきます。