世界と戦うなら「名古屋」が一番の近道〜東海4県・産学官が結集した「スタートアップフレンドリー」な都市で、事業成長を確信できる理由〜

名古屋市 経済局 イノベーション推進部 スタートアップ支援課

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名古屋は今、「製造業に強みのある都市」という従来のイメージから、「成長の仕組みが自走する都市」へと変貌を遂げています。内閣府の「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定された同市は、産学官が一体となり、事業成長の入口からスケールアップまでを支える強固な土壌を整えました。
拠点進出を検討する企業にとっての真の論点は、「名古屋に拠点を置くことで、自社の成長の選択肢がどう増えるか」でしょう。そこで、企業の成長を見つめ続ける名古屋市経済局スタートアップ支援課(以下、「SU課」)に、名古屋だからこそ得られる企業の「成長の勝算」をうかがいました。

名古屋が今、成長投資の対象になっている理由

ーー:名古屋市は現在、スタートアップ支援において国内でも屈指の熱量を持っています。なぜ、今これほどまでに力を入れているのでしょうか。
SU課:逆説的ですが「うまくいっているがゆえの危機感」が原動力です。名古屋は製造業の集積地として非常に豊かな地域ですが、これから産業構造が大きく変わっていく中で、今の成功体験に安住してはいけないという議論が2016〜17年頃から本格化しました。
ーー:既存産業への危機感が、新しい挑戦を後押ししているのですね。
SU課:ええ。次の時代を作る「起爆剤」としてスタートアップを位置付け、地域全体でその成長を支える覚悟を決めました。行政だけでなく、地域の総意として「挑戦を応援する文化」を醸成してきたことが、今、大きなうねりとなっています。

行政の枠を超えた「東海4県」の巨大な実験場

ーー:名古屋の支援を語る上で欠かせないのが「Central Japan Startup Ecosystem Consortium(セントラルジャパン スタートアップ エコシステム コンソーシアム)」という非常に大きな枠組みです。これは具体的にどういったものなのでしょうか。
SU課:簡単に言えば、産・学・官が完全に一つになった「広域連携プラットフォーム」です。最大の特徴は、我々行政だけでなく、中部経済連合会などの「産業界」、そして名古屋大学をはじめとする「大学」が三位一体で動いている点ですね。エリアも愛知・名古屋・浜松から始まり、現在は岐阜・三重・静岡まで含む東海4県に広がっています。
ーー:都市の枠を超えた、日本最大級の連合体なのですね。
SU課:この「広域」というのがポイントで、例えば一つの市では難しい大規模な実証実験も、このネットワークなら最適なフィールドが必ず見つかります。20以上の大学が連携していることで、ディープテック(高度技術)の供給源も極めて豊富です。この圧倒的なスケール感こそが、名古屋のエコシステムの基盤となっています。
参考:Central Japan Startup Ecosystem Consortium

名古屋は国のお墨付きを得て成長が加速するフェーズへ

ーー:内閣府の「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」にも継続して選定されました。これはどういった意味を持つのでしょうか。
SU課:国からも「この地域なら世界と戦える」と太鼓判を押されたということです。第1期で積み上げた土壌をベースに、第2期(2029年度まで)では明確に「企業評価額1,000億円以上のユニコーン企業を5件創出する」「EXIT数を50件に増やす」といった高い目標を掲げています。
ーー:単なる支援の継続ではなく、より具体的な「成果」を出すフェーズに入ったと。
SU課:その通りです。国のお墨付きがあるということは、それだけ継続的で安定した支援環境が約束されているということでもあります。これから進出される企業にとっては、ここからさらなる上昇気流に乗るタイミングで参画できるため、大きな安心材料になるはずです。
参考:第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市の概況について

「産業×スタートアップ」で伸びる設計が名古屋の強み

ーー:多くの自治体がスタートアップ支援を掲げていますが、名古屋ならではの「勝ち筋」はどこにありますか?
SU課:最大の強みは、世界的な研究開発型の大企業が極めて近くに存在することです。私たちは単に企業を集めるだけでなく、この圧倒的な産業基盤とスタートアップの革新的な技術を掛け合わせ、「社会実装」を加速させることを目指しています。
ーー:実証実験だけで終わらない、ということですね。
SU課:その通りです。この地域には、伝統的にものづくりのノウハウや実証フィールドが豊富にあります。そこにスタートアップが持つスピード感を融合させることで、具体的な事業成長へと繋げる。この「産業との物理的・心理的な距離の近さ」こそが、名古屋を拠点に選ぶ最大の戦略的メリットです。

4つの支援軸が「成長の導線」になっている

  • J-Startup8社、J-Startup CENTRAL43社(2026年1月現在)

ーー:具体的な支援策についても伺いたいのですが、点在する施策ではなく、一つの「導線」として整理されているとお聞きしました。
SU課:はい。私たちは企業に対し、4つの柱を成長のロードマップとして提示しています。まず1つ目が「人材育成」。名古屋大学を中心とした「Tongali(とんがり)※」との連携や、小中高生への起業家教育です。これは単なる教育ではなく、将来の協業パートナーや高度な新規事業人材を輩出するための「地域の成長インフラ」だと捉えています。
ーー:教育をインフラ、つまり投資として捉えているのですね。
SU課:そうですね。そして2つ目が「オープンイノベーション」。ピッチイベントや交流機会を戦略的に設計し、協業を「偶然」ではなく、必然的に起こる「仕組み」に変えています。そして3つ目が「グローバル化」。最初から世界市場を視野に入れる企業が伸びるよう、海外拠点とシームレスに繋いでいます。
ーー:4つ目は資金面でしょうか。
SU課:はい、「ベンチャーファイナンス」です。立ち上げ期だけでなく、スケールアップに必要な投資家や事業会社との接続を強化し、戦略的な提携や投資機会を最大化させています。
ーー:立ち上げ以降の拡大期への支援についても教えてください。
SU課:私たちの強みは、フェーズに応じて支援が「切り替わる」点です。起業時の事業創出や資金面での支援から、社会実証や海外展開の支援、ステージが進んだスタートアップには、「J-Startup CENTRAL」への選定を通じ、PRや事業拡大に向けた補助など、企業が直面する「次の壁」を乗り越えるためのメニューを揃えています。
ーー:成長フェーズごとに支援が切り替わることが重要なんですね。
SU課:現在、Central Japan Startup Ecosystem Consortium全体で800社以上のスタートアップがおり、そのうち50社程度がJ-StartupまたはJ-Startup CENTRALに選定されております。さらにその中の約15〜20社ほどがユニコーンを目指せるレベルまで伸びており、この「層の厚み」が当地域のの信頼感になっています。
※Tongali: 名古屋大学をはじめ東海圏20以上の大学が連携する起業家育成プログラム。学部生から教職員までを対象に、起業マインドの醸成からビジネスプランコンテスト、資金援助(GAPファンド)までをシームレスに行う、地域の「挑戦者の母数」を増やすための巨大な育成プラットフォーム。
参考:Tongali(とんがり) – 東海発アントレプレナーシップ教育・起業支援プログラム
参考:J-Startup CENTRAL

名古屋で「伸びる」企業の条件と意外な注目分野

ーー:多くの企業を支援される中で、名古屋で特に伸びる企業に共通点や傾向はありますか?
SU課:「産業界と相性が良い」「ディープテック(高度技術)」「海外を視野に入れている」の3つを持つ企業は強いですね。ただ、いわゆる純粋な製造業以外にも大きなチャンスがあります。
ーー:どんな分野がありますか?
SU課:例えば「運輸・物流(ロジ系)」です。名古屋には巨大な製造業の基盤があるからこそ、そこから派生する物流領域には非常に優秀なプレイヤーが増えています。他にもスマート農業やヘルスケアなど、製造業のDNAである「品質」や「現場力」を活かせる周辺産業は、名古屋において極めてポテンシャルの高い領域です。

TechGALAは国内外の企業と出会え、ビジネスが一気に加速する場

ーー:名古屋市が主催するグローバルイベント「TechGALA(テックガラ)」についても、非常に実利的な内容だと話題です。
SU課:これは単なるイベントやお祭りではなく、ビジネスを飛躍を加速させる場です。最大の特徴は、運営事務局が世界中を調査し、名古屋の企業にとって真に価値のある海外企業を「一本釣り」で連れてくることです。
ーー:公募を待つのではなく、自ら探しに行くのですか?
SU課:そうです。一般の展示会にはまず顔を出さないような、日本初上陸の極めてレアな企業を招聘しています。さらに、約40社規模のVC・事業会社との「スピードデーティング(1対1の商談)」や、大企業の役員クラスが参加する交流会も用意しています。
ーー:役員クラスが出席するというのは、意思決定のスピードにおいて重要ですね。
SU課:その通りです。現場担当者だけでなく、経営判断ができる「意思決定者」と直接話せる。このスピード感こそが、TechGALAの魅力であり、名古屋のネットワークが持つ本当の価値です。
参考:TechGALA Japan | 地球の未来を拓くテクノロジーの祭典

名古屋は今、世界に最も近い「スタートアップフレンドリー」な街

ーー:最後に、名古屋への進出を検討している経営層の方々へメッセージをお願いします。
SU課:名古屋は今、すごく「スタートアップフレンドリー」な都市になっています。プレイヤー同士が連携し、相談に乗りながら、共に大きく成長していける空気があります。
世界と戦いたいのであれば、名古屋が持っている世界との競争力を利用するのが一番の近道です。これは間違いなく日本で一番だという自負があります。もし迷われているなら、まずは「TechGALA」に足を運んでみてください。そこで手応えを感じ、社会実証を経てから拠点化を考える――そんな段階的な挑戦を、私たちは全力でサポートします。

(取材日:2025年12月23日)