CBDはストレス社会を⽣きるうえでの解決案になりうる

株式会社グリーンブラザーズ・ジャパン
代表取締役社長
髙森 雄一氏

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世界20カ国でCBDビジネスを展開するグリーンブラザーズ・スイス社

Q. まず、グリーンブラザーズ・ジャパンで扱っているCBDについて教えてください。

CBDは、カンナビジオールと言われ、⿇から抽出される化学合成物質、カンナビノイドのひとつです。

CBDを⾝体に取り込むことで睡眠の改善や抗炎症作⽤、鬱や神経疾患の緩和等の効果があるほか、海外では認知症の治療にも⽤いられていると言われております。

CBDは、⽇本でも合法化されております。近年では、⾃然療法の一環やQuality of Life を向上させるアイテムとして期待されています。⽇本では医薬品ではないので、「治療」はできませんが、様々な症状を改善するためのサポートができる健康食品という位置付けです。

  • CBDアイソレート(高純度)

Q. 親会社のグリーンブラザーズ・スイス社はCBDを世界的に展開しているのですね?

そうです。グリーンブラザーズ・スイス社はスイスに本社を置くCBD メーカーです。2016年に3人の兄弟によって創業、彼らは原材料の栽培から製造から加⼯、販売までを⼿掛け、CBDに関する研究も⾏っています。現在では、世界20カ国にて展開し、日本市場には2022年に私と共に参入いたしました。

 

新規事業を検討する過程でCBD に可能性を感じる

Q.グリーンブラザーズ・ジャパンを⽴ち上げた経緯について教えてください。

私が新しい事業について考えていたとき、欧⽶で医療的にも注⽬されていたCBD に興味をもち、取引ができるパートナーを欧州と米国にて探しました。その時に出会ったのがグリーンブラザーズ・スイスでした。

当初は仕⼊れの取引だけをするつもりだったのですが、グリーンブラザーズ本社から共同での⽇本法⼈⽴ち上げの相談を受け、私が代表を務めることになりました。海外市場と日本市場では、文化の差が存在し、日本に適した販売戦略方法が必要であるとの判断と共に、信用文化であるこの日本での進出はとてもチャレンジングだと思いました。

 

Q. 髙森社⻑がCBDに興味をもった経緯についても教えてください。

私自身、愛知県岡崎市の出⾝なのですが、⽗のアメリカ赴任に伴って14 歳からアメリカのオハイオ州に渡⽶しました。

以後、中学、⾼校、⼤学とアメリカで過ごし、オハイオ州立⼤学卒業後は監査法人PricewaterhouseCoopers (PwC)にて勤務しました。PwC退社後は、国際流通ビジネスに携わっていましたが、政情の変化もあって⽇本に帰国しました。

海外のグリーンラッシュのニュースからCBD に興味をもったのはその頃です。独自の経験から⽇本での法規制について勉強し、全て自分で税関や通関士とのやりとりを経て、20 キロを輸⼊通関を行いました。最初に輸入した際には、自ら成⽥空港から持ち帰ったのが、今ではいい思い出です。そこが私にとってのCBDとのはじめての出会いでした。

Q. グリーンブラザーズ・ジャパンでは、販売だけでなく製造も⾏っているのですね?

そうです。現在のCBD市場は、新興市場であり、中小企業様・個人事業主・そしてCBD利用者様によって成り立っています。

たんなるCBD原材料を販売する商社では企業生命が短いと判断し、私が育ったアメリカでは、物流社会ではメーカーが最大限のメリットがあるのと、メーカーとしての機能を持つことが長期的な企業生命の機会創出と強みになると考えました。結果、抽出された原材料をグリーンブラザーズ本社から買⼊れ、⽇本国内で加⼯・商品化を⾏っています。

2024年1月には、菓子製造業許可を取得し、小ロットでも対応できるように体制を構築しております。

⾃⾝のルーツでもある愛知県にCBD の製造拠点を設⽴

Q. その製造拠点として名古屋を選ばれた理由は何でしょうか?

私⾃⾝が愛知県の出⾝で、信頼できる仲間がこの地域にいたからです。CBDは、取り扱いが難しく、信頼のおける仲間は⽋かせません。

また、通常、⾷品⽣産が可能なクリーンルームのある製造拠点をあらたに作るためには、⼤きなコストがかかります。製造拠点を探すのにはとても難航しました。そんな時、クリエイション・コア名古屋を⾒つけることができ、素晴らしい環境下(金銭面・品質面)でのスタートすることができたのは、ありがたかったです。

啓蒙活動を通じてCBD に関するスティグマを取り払い、市場拡⼤を⽬指す

Q. 今後はCBDのビジネスをどのように伸ばしていきたいですか?

⽇本にCBD をより普及させて⾏くためには、CBD に関する誤解や偏⾒を取り除いていく必要があります。そのための啓蒙活動の⼀環として、一般社団法⼈オール・カンナビノイドを2023年に⽴ち上げました。まだまだ未熟な市場なので、他社とも協⼒して知財をシェアし、消費者に対して正しい知識を伝えていきたいと思っています。

現在、弊社では3つのブランドを展開しております。アスリートが一般の方を応援するCBDブランド『アルピニウム』、ニコチン・タールが含まれない電子タバコCBDブランド『Sixty8』、そして女性向け・フェムケアCBDブランド『レポス』を展開して、消費者様のニーズにあった商品を提供します。

また弊社では、弊社のブランドを名古屋市のふるさと納税の返礼品としても掲載しております。様々な方に知って頂き、CBDを知ってもらえるような活動も行っております。

 

その他の啓蒙活動としては、2026 年のアジア⼤会に向けて、アスリートとのコラボにも⼒を⼊れています。

また、今後は企業への売り込みも強化していきたいです。経済産業省も健康経営を打ち出しているなかで、睡眠改善やストレス軽減が期待できるCBD は従業員の福利厚⽣にも活⽤できるアイテムです。CBD によって従業員のQOL が⾼まり、企業も業績を⾼められるような、そんな三⽅良しを⽬指せたらいいですね。

いまだネガティブな固定概念がつよく残っていますが、CBD は⾃然療法として使われる安全なものです。ストレス社会を⽣きるなかで、CBD が解決案のひとつになりうると信じています。